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OSAS(閉塞性睡眠無呼吸症候群)への試み ~ その2

(前回からのつづきです)
 
 * やや、専門的な内容です。ご興味のある方のみ、おつきあいください。

次に外木守雄先生(日本大学歯学部口腔外科学教授) より 閉塞性睡眠無呼吸症候群(OSAS)に対する顎顔面手術 についての講義がありました。

その1で、手術以外のOSASへの治療法、対処法を記しましたが、数ある治療法の中でも手術が最も確実な治療法であることに間違いはありません。

実際に外木教授のすばらしい手術の技術により、OSASが治癒する症例を何例も提示していただきました。

しかし、骨を大きく切断する手術となるため、体への侵襲の大きさから、すべての患者さんが手術を受け入れるという現状ではないようです。

実際に手術を受ける患者さんには限りがあるため(高度かつ特殊な技術のため専門医の数も少ない),CPAP(シーパップ Continuous Positive Airway Pressure ;睡眠中、鼻から圧力空気を送り込む装置)や口腔内装置(OA)による治療法が求められるのです。

午後になっていよいよ、口腔内装置(OA)治療の現状と展望についての講義となりました。

講師は河野正己先生(日本歯科大学新潟病院 睡眠歯科センター長・教授)です。

口腔内装置(Oral Appliance ;OA)の立ち位置は微妙で、口腔内装置は歯科医院で作られるものですが、歯科医師の判断(診断)で作ることは出来ないのです。
健康保険で作る為には、まず睡眠時無呼吸症候群の確定診断が可能な医科の医療機関(耳鼻科や呼吸器内科など)からの紹介依頼(診療情報提供書)が必要なのです。

睡眠時OA

さて、OAはこの写真のようなものです。
これは、最も一般的なモノブロック型(上下一体型)ですが、バイブロック型(上下分離型 通常はゴムで力を加えられる)の物もあります。バイブロック型は保険適応外です。

通例では、口腔内装置(OA 以降OAと記載)は次の流れで作成に至ります。
まず患者さんが一般医院でOSAS(閉塞性睡眠無呼吸症候群)の診断を受ける。
前述の通り、AHI(Apnea Hypopnea Index)が5以上で、OSASの確定診断となり、保険でのOA作成が可能となりますが、通例では15以上(眠気を伴うときは10以上)が診断基準となります。

また、単なるいびき症・保険適応外のOA作製希望の患者さんは、すべて自費治療になります。

ところでAHI(Apnea Hypopnea Index)はどのように計測するのでしょうか。AHIは睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数ですが、計測するには専用の生理検査(PGS:睡眠ポリグラフ による病態検査)が必要です。

PSGとは睡眠の質と量、異常行動の診断をするものです。一般には専門機関で泊まりがけ(入院)で測定します。しかし、それはとても大変なので、簡易測定方として、在宅PSGがあります。
これは簡単な装置を額に装着するだけで、脳波と眼球運動、筋電、いびき、脈拍数、頭の向き、頭の動き の8チャンネルの睡眠時のデータを記録できるものです。在宅というだけあって、泊まりでの検査は不要です。

( つづく )