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日本臨床歯周病学会第35回 年次大会

6月24日(土)25(日)の二日間、大阪国際会議場(大阪府)に於いて日本臨床歯周病学会 第35回年次大会が開催されました。 当クリニックでは今年も、歯科衛生士3名と共に参加しました。

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本年のテーマは「歯周病患者におけるインプラント治療」でした。
今や市民権を得たインプラント治療ですが、私の大学の頃はインプラント治療を教育する講座はもちろんなく、それに関連する講義すら受けたことがありませんでした。

そもそも既存講座の中で、どの講座がインプラントを扱うのかハッキリしませんでした。

歯を作るので補綴科(入れ歯やクラウンを扱う科)、もしくは、外科手術を伴うので口腔外科(お口周りの粘膜や骨の治療を行う科)が関連が深そうであったのですが、最もインプラント治療に対し積極的な研究が行われたのは、歯の周囲の組織の治療を行う歯周病科でした。
現在では、どの大学もインプラント科という独立した講座が設けられているようです。

歯を失った患者さんにとって、万能と思われていたインプラント治療は、開発以来その材料や技術の進歩と共に,大きな福音をもたらし続けてきたのですが、治療経過が長期に及ぶに伴い、問題点も指摘されるようになりました。その一つが「インプラント周囲炎」です。

これは、歯が歯周病に侵されるのと同様に、インプラントの周囲に細菌が付着することにより、インプラント周りの骨や歯肉組織が炎症を起こし、症状が進むとインプラントの脱落につながることも少なくありません。

インプラント周囲炎についての研究はまだ日が浅いので、インプラント周囲炎についての知見を得る機会が得られることはとても意義深いことです。今回の学会でも、私が過去に学んだ治療法に加えて、たくさんの新たな治療法や治療経過についての報告がなされました。

インプラント周囲炎は、適切な治療法により治療可能であることが示唆された有意義な学会でした。