歯科衛生士 : セルフケアー処方 の勉強会

2017年9月1日研修会・講習会, 歯のコラム

当院の歯科衛生士 aikoさんが

患者さんの口腔内が変わる!

個別対応のセルフケア処方 即実践セミナー

の研修に参加しました。

毎週金曜日の歯科衛生士のミーティング(衛生士さんが自主的に行っている勉強会 )で

その報告を行うとのことで、今回は わたくし( 院長:長谷川 )も参加して聞いてみました。

dhmeeting279400

歯や口のお掃除をすることを口腔清掃と言います。

口腔清掃には、歯ブラシ、歯磨き剤や洗口剤などを使用します。

口腔清掃のための器具や製剤は、数えきれないほどたくさんの商品が

世に出まわっていますが、その選択基準はかなり曖昧です

テレビCMで見たり、知り合いに教えてもらったり、ドラッグストアーで手に取ってみたり・・・

何となく気に入ったものを使用しているのではないでしょうか。

内科医が患者さんの症状だけで無く、個々の体質や体調を考慮して、適切なお薬を処方するように、

歯科衛生士が、その星の数ほどある清掃器具や製剤(歯磨き粉なども含む)を、

それぞれの特性を理解し、患者さんに効果的に提供する技術がセルフケアー処方です。

セルフケアー処方が難しいのは、薬を飲むだけの処方と違って、

類似した症例に同じ処方をしても、同等の成果が得られるとは限らない点です。

つまり、同じ程度の虫歯になっている二人の患者さんでも、

それぞれの歯磨きの器用さや、実際のお手入れ状態、歯の質や食生活によって、

処方する歯ブラシ、歯磨き粉の種類は当然異なってきます。

また、現在治療中の患者さん用のケアグッズと、

メインテナンス(診療後の術後管理)中の患者さん用

では、やはり薦めるグッズは違ってきます。

ワンパターンが通用しないのがセルフケアーの難しいところです。

歯磨き剤や洗口剤では製剤の成分や、使用するケアーグッズの

それぞれの特性を理解した上で5つのターゲット(脱灰、歯質、歯石ステイン、細菌、炎症)

に対する基本方針を確認し、それぞれのターゲットに有効な成分や清掃法を選択して行く必要があり、

それは容易なことではありません。

数多くの製剤やケア-グッズの組み合わせの中から、症例経験を重ねていくことにより、

当院のオリジナルの処方パターンを作り上げ、効果的に患者さんに提供していきたいものです。

また、治療中における、歯面ケア、歯周ケア、そして治療ステージの

それぞれの処方ポイントをシステム化していければ、

効率的で効果的な口腔清掃を行えることと思います。

aikoさん、セミナーと報告お疲れ様でした。

とても有意義なセミナーであったと思います。

日本臨床歯周病学会第35回年次大会 その1

2017年7月26日学会, 歯のコラム

みなさんこんにちは!

6月24日25日に大阪国際会議場で行われました、

日本臨床歯周病学会第35回年次大会

「Save Teeth!Save Implant!~歯周病患者におけるインプラント治療~」

に参加させて頂きました。

image

歯周病とインプラントの関わりについての勉強が中心でした。

インプラントが入っている患者様も多く通院されてるので

身を引き締めて受けてきました!

天然の歯はもちろんインプラントは特に日頃のお手入れが重要です!

インプラントの周りにプラーク(歯垢)が溜まると

フィクスチャー(チタン製の人工歯根)と結合していた骨が

プラークの中にいた細菌によって炎症を起こします。

最初は歯茎が腫れている程度のもので、これを「インプラント周囲粘膜炎」

と呼びます。この段階で処置をすれば、顎の骨にダメージを与えずに、

ちょうど歯肉炎と同じ症状の段階で止める事ができます。

炎症を放置して顎の骨が溶け始めると症状はやがて

「インプラント周囲炎」にまで進んでしまいます。

これは炎症がインプラントの周囲の骨までまわってしまい

進行すると骨が溶けてなくなってしまいます。

しっかりとご自身のお口の中について理解して頂き、清掃を

行った上での歯科医院での定期的なメインテナンスが大切だと

再確認しました!

さて夜はとてもオシャレでおいしいディナーでした♪

image

勉強後のディナーはよりおいしかったです!

2日目帰る前に大阪といえば粉物!ということで

お好み焼きを食べて帰りました♪

とても充実し刺激を受けた2日間でした。

院長先生、このような勉強の機会をありがとうございました。

今回学んだことを活かしてこれからの診療に

取り組んでいきたいと思います。

立松紀恵

重曹を使用した歯磨きについて

2017年6月21日歯のコラム

こんにちは!

久しぶりにブログを担当します衛生士のkieです♪

最近お食事会のブログばかりでしたので、たまには歯科医院

らしいブログを書きたいと思います!(笑)

今回は重曹洗口について紹介させていただきます。

重曹とは炭酸水素ナトリウム、別名 重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ

とよばれるものです!

重曹といえば掃除や料理を連想する方が多いのでは

ないでしょうか。その重曹が今歯科界で話題なんです!

重曹洗口は虫歯予防に有効です。

虫歯は細菌が口に入ってきた糖分を材料に酸を作り、

歯を溶かしてしまうことから起こります。

重曹は弱アルカリ性なので食後に酸性に傾いたお口の中の環境を

中和してくれる働きがあります。この働きが虫歯予防になります!

あとは歯の着色予防に有効です。

重曹には汚れを浮き上がらせる効果があります。その働きは歯も例外ではありません。

歯の表面の着色汚れと結合しているタンパク質を加水分解し、

研磨作用によって汚れをこすり落とすのです。

このようにメリットはたくさんありますが、重曹を使用する時には

いくつかの注意が必要です!

・食用もしくは薬用の重曹をつかってください。

・重曹は塩分が高いので高血圧や妊娠中、塩分制限の必要な方は注意してください。

・研磨作用があるので歯の表面が傷ついてしまう

恐れがあります。磨く強さには気をつけて下さい。

重曹入り歯磨き粉の商品例

jyuusou

こんなのがあるみたいです。(商品名、メーカー名は非表示にしてあります)

みなさんのお役にたてれば幸いです。

2016年 JAO特別講演会 ~ 築山鉄平先生(福岡)

2016年10月29日研修会・講習会, 歯のコラム

10/23(日) (株)シロナ 名古屋支社にて、2016年 JAO特別講演会 が行われました。

講師は、福岡市でご開業の築山鉄平(つきやま てっぺい)先生です。

築山先生は、タフツ大学歯学部で、歯周科(修士)、審美補綴を修得され、その後福岡の自院にて、
予防歯科を主体とした画期的な ( 何が画期的かというのが今回の講演内容でした ) 歯科診療を
実践されている、まさに新進気鋭の歯科学者であり臨床家です。

講演は二部形式で、 午前は
2 0 年先を見据えた歯科医療のイノベーションを考える
~ 真の患者利益、真の歯科医療の価値を実現するために-

午後からは
近代歯周病学において、私たちは何を考え、何を計画し、何を実行すべきなのか?
~ 歯周炎に対する包括的アプローチ

のテーマでした。

jao-2

  歯科衛生士の重要性を強調されておりました

アメリカ、中国に次ぐ、世界第3の経済国であるにもかかわらず、日本の歯科医療の現状があまりにも
お粗末である点は、かねてから指摘されているものの、そこから脱却できないのは、
理想とする歯科医療を実践するのに立ちふさがる、さまざまな障壁が存在するからに他なりません。

築山先生は、その障壁に、真正面から取り組み、実践を行っている数少ない歯科医師の一人です。

ご専門の歯周病の症例についても触れながら、歯科医療の本質についての示唆に富む、すばらしい講演でした。

jao1

JAO理事と。向かって左から3番目が築山講師です。

日本歯科審美学会 第27回学術大会に参加して

2016年9月12日学会, 歯のコラム

猛暑も少し和らいだ今日この頃、皆様いかがお過ごしてしょうか。
歯科衛生士内田です。

去る8月27日から28日に日本歯科審美学会in 北海道へ参加して参りました。
今回の学会は1人での参加でしかも北海道…緊張しつつも北海道で美味しい
食べ物を堪能したいというワクワクドキドキで参加してきました~!

image

さて、日本歯科審美学会は1987年の創立から昨年より一般社団法人化となり
現在では4600名の会員数を超える有数規模の学術団体として日本の歯科
審美学を支える歴史ある学会です。

私自身も本学会ホワイトニングコーディネーターを2007年に習得し、当院で行う
ホワイトニングに関する正しい知識の情報提供とともに皆様のお口に対する
審美のお手伝いをさせて頂いております。

今年のメインテーマは「歯科審美 さらなる高みを目指して」をテーマに
保存学、補綴学、矯正学、歯科衛生士教育講演、歯科技工士教育講演と
幅広くシンポジウムが行われました。

審美といえば歯のホワイトニングはもちろん、セラミックやコンポジットレジン、
矯正治療の症例など専門分野がそれぞれありますが、
今回歯科衛生士教育講演のメインは超高齢社会の歯科審美について。

普段診療所の臨床家にはなかなかピンとこないテーマではありますが、
現在の日本は超高齢社会に突入していることはみなさんご存知の通りで、
医療と介護のさらなる連携、多職種における連携が必要と言われています。
(多職種とは医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士など医療従事者の
専門性を生かし総合的に医療を提供すること)

今回の教育講演では地域保健看護やチーム医療でご活躍されている看護師さん
2名と要介護現場でご活躍されている衛生士さんの3名でのセッションでした。

口腔ケアの重要性と審美性の高い補綴物やインプラントの口腔ケアから、
口腔衛生と口腔機能向上させ歯科審美を維持することで
「食べる」を支援することにつながるというお話でした。

これは高齢者や要介護高齢者だけに限らず、すべての人に当てはまる話しではないかと考えます。

実は審美学と歯周病学は深く関連しており、そもそも審美歯科治療とは
歯を白くさせるだけ、綺麗なセラミックだけを装着するだけでは
バランスのとれた治療かと言われると疑問が残ります。

いろいろなイメージがあると思いますが、審美歯科治療とは、

「歯や歯肉の色(色彩美)や形態(形態美)などの自然な外観と機能(機能美)を
バランスよく回復することにより美しい笑顔と口腔機能の維持を獲得する」

が大前提になります。

せっかく歯が白くなっても、歯茎が赤く腫れていたり、
セラミックと歯茎のバランスがよくなければ調和のとれた審美治療とはかけ離れてしまいます。

なかなか普段聞くことのできないセッション内容に
口腔衛生(お手入れの管理)と口腔機能の向上の大切さを改めて痛感した学会でした。

長々とご報告しましたが…

image

海鮮もほどほど楽しんだところで、地元では有名なジンギスカンのお店に行ってきました~!
1時間半待ちましたが…お肉独特の臭みもなく、学会とともに充実した北海道でした☆