第5回 中区三師会 市民公開講座 の準備をしています

2013年11月4日歯のコラム

来る 平成25年 11月10日 (日曜日) 午後1時より  中区役所ホールにて

「第5回 中区三師会 市民公開講座」

を開催いたします。(事前登録は必要ありません)

これは、名古屋市中区の医師、歯科医師、薬剤師、三会合同の地域医療貢献事業で

今年のテーマは

「 予防医療 」 あなたは大丈夫!?受けよう健診・防ごう疾病  です

長谷川も、準備委員をつとめさせていただいております。

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日本人死因の上位を占める脳梗塞や心筋梗塞等の重要疾患は、高血圧症や高脂血症、糖尿病等を要因と
する合併症、血管疾患、動脈硬化が主な原因と言われています。

それらの疾患を予防する為に、メタボ健診の重要性や、最近わかってきた歯周病と生活習慣病との因果関係
新たな薬剤師の役割と課題等、予防医療の重要性について各会それぞれの立場よりメッセージを発信します。

進行は、テレビ等でお馴染みのパーソナリティ“きくち教児”氏を迎え、質問形式で、会場とのやりとりを通して

「おや!!まぁ!?へぇ~っ!」と、予防医療について考えていきます。

三師会合同主催の市民公開講座は全国的にも珍しく、中区という小さな地域からの情報発信ですが、意義
ある地域医療貢献事業であると確信しています。

★お問合せは、長谷川亨歯科クリニック宛か、下記事務局までどうぞ

 第5回 中区三師会 市民公開講座 開催事務局 TEL(052)882-3258

      実行委員会・委員長  江 端 政 直 宛(江端歯科内) 

e-max(イーマックス) のセミナー

2013年10月28日歯のコラム

10月27日 日曜日は
当院でも、最近頻繁に使用しているセラミックスクラウン、e-maxの講習会に参加しました。

講師は 歯科技工士の城山幸助先生(神奈川県 開業)でした。

e-maxとは、新しい(といっても当院では2年前より使っています)タイプのセラミックス冠で、材質はケイ酸リチウムです。耐久性が従来のオールセラミックス冠とくらべ、抜群に強いのが特徴です。

強いだけでなく、セラミックスの粒子が細かいため、研磨でのツヤがでて、調整後も表面がきれいですし、セラミックスの 「硬すぎる」 という欠点も若干緩和されています。

ステイニング法や レイアリング法 といった技法で作られるのですが、歯科技工の製法によって、材料の特性も変わってくるので、歯科医師である私が聞いても、とても為になる、というか、従前の知識を整理できてとても良かったです。

 
e-maxの新たな可能性として

Thin veneers・・・・・ 超薄いラミネートベニア(歯の表面に貼り付ける治療法)  や
 
Table top・・・・・  酸蝕症などで、摩耗した奥歯の噛み合わせ面の修正

への応用は興味深いものがありました。

また、インプラントへの応用についてもお話があり(当院ではすでに使用しています) 密度の濃い、とても有意義なセミナーでした。

日本臨床歯周病学会中部支部合同研究会に参加しました

2013年10月22日歯のコラム

10月6日(日)松本歯科大学で行われた
日本歯周病学会中部地区大学・日本臨床歯周病学会中部支部 合同研究会に参加して参りました。

6月に参加した年次大会とはまた雰囲気が少し違い、普段臨床では知ることのできない大学の研究発表を聞くことができ、少し新鮮な気持ちになります。

衛生士口頭発表では、診療所勤務の衛生士さんの症例もあれば、
大学病院の症例もあります。

とても興味深かったのは、
松本歯科大学病院歯科衛生士室で研究された
「高齢歯周病患者における口唇機能療法および音波ブラシの効果」

高齢歯周病患者に対して、音波式電動ブラシによる口腔清掃を行うことによる、
唾液分泌量の変化と口腔環境への効果を検討することを目的する研究内容でした。

結果および考察として、

音波式電動歯ブラシを4週間使用することにより、唾液分泌に関して
著名な増加を認めたそう。

ただし、全身疾患の病歴や常備薬の服用がないなど条件付きでの結果のようなので、
必ずしも全員に当てはまるということではないですが・・・

唾液はとても重要で、口腔内が乾燥することにより虫歯や歯周病にかかりやすくなるため
口腔内環境悪化を引き起こし、口腔機能低下につながります。

特に女性はホルモンバランスの兼ね合いで男性に比べると
口腔乾燥(ドライマウス)になりやすいと言われています。

(余談ですが、目が乾きやすい人はドライマウスになりやすい傾向もあるそうです)

今回の研究結果を知り、音波ブラシが唾液分泌向上に関与するとは
想像もつきませんでした。

普段臨床では知り得ることが難しいのですが、
この結果を参考に音波ブラシについても知識を増やしていきたいと思います。

音波ブラシも使い方によっては歯や歯茎にダメージを与える場合もあるので、
使い方に関して疑問などございましたら一度ご相談ください。

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衛生士秋山と共に参加しました。

これからもスタッフ一同いろいろ院内で検討したいと思います。

歯科衛生士
内田 沙織梨

高齢者のリスクマネージメント 合同研究会

2013年10月11日歯のコラム

10/6(日)に松本歯科大学 (長野県塩尻市)で行われた
 
日本歯周病学会中部地区大学・日本臨床歯周病学会中部支部 合同研究会 ・・・・・ 長いなぁ

に、歯科衛生士の内田、秋山と共に参加しました。 

この会は、一言で言えば
中部地区の大学の歯周病研究者と歯周病臨床家の合同研究会です。

臨床家と研究者の合同の研究会は比較的珍しいです。

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ポスター発表も アットホームな感じ

研究発表の内容も、基礎研究より日常の臨床に近い内容が多く、臨床家には為になります。

さて、特別講演は

小笠原正教授 (松本歯科大学障害者歯科学講座)による
「超高齢者社会を迎えての対応」~リスクマネジメントとクライシスマネジメント ・・・・ 長いなぁ

がテーマでした。

超高齢化社会( 高齢化率:65歳以上の人口が総人口に占める割合 が21%以上)
になって、一般的な歯科医の日常的な診療でも注意をしなければいけない事がたくさんある
という内容でとても為になりました。

高齢者介護の現場では、入浴前でも血圧を測るくらいなので
高齢者の麻酔では、当然リスクマネージメントが必要である    とか

階段の上れない方はもちろん、階段を上れても、途中で休んでしまう方は 
運動耐用能 心機能予備力の評価的にはハイリスクなので、要注意です    とか
      

心拍数HR 120以上 は心不全の予兆があるので、歯科治療は迷わず中止   
そして
100以上でも 要注意 
50以下も 同様に 要注意   とか

心拍の不正なリズムが 1分に5回以上は要注意 10回以上は歯科治療禁忌   とか

血圧 180/100 以上の患者さんには 必ずモニターを行う   とか

さらに

ずーっと病院にかかってない、健康だと言い切るヒトは 
            ・・・ かえって危ないので血圧をはかる  とか

基礎疾患をかかえた患者さんを、きちんと把握し、それなりの対策を行うという、
当然ではありながらつい見過ごしてしまいそうな、ポイントをわかりやすく示していただきました。

そして、実際に問題が生じたとき(クライシスマネジメント)は

昔の救急蘇生の ABC
( Arway Breathig Circulation )はもう前のハナシで、まずは
 心マッサージと人工呼吸 を行い 循環の維持を第1に考え、救急車を待つ

という点は、恥ずかしながら十分認識していませんでした。

定期的に 救急蘇生実習やセミナーを何回も受けている自分でしたが、

たまに聞くと、新しい情報や知見もあり、
医療人として 常に緊急事態に備える姿勢の大切さを実感できた、意義深い研究会でした。

JAO 日本オッセオインテグレーションアカデミー 9月定例研修会

2013年9月17日歯のコラム

9/7(土)は JAOの定例研修会でした。

講師は 杉山 辰行 先生 (スギヤマ歯科 院長、JAO 理事) です。

内容は
① インプラント周囲粘膜炎及びインプラント周囲炎の診断
② インプラント周囲炎のリスクファクター及び予防法
③ インプラント周囲炎の治療法 

インプラント経験の豊富な杉山先生ならではの、とても実際的で為になる内容でした。

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インプラント周囲炎は、今年の臨床歯周病学会での報告でも書いたとおり、インプラントを行う臨床家にとって最も悩ましい問題です。

インプラントを受診された患者さんの11~28%に、また埋入されたインプラント体(本体)の12~43%に何らかのインプラント周囲炎が起こっているとの報告もあります。

大切なことは、歯科医師も患者さんも、インプラント周囲炎が起こることを想定し、それを防ぐための正しい働きがけを行うことでしょう。

インプラント治療で 「手術をして、歯を作って、それでおしまい」 という姿勢は極めて危険です。

歯周病治療において、メインテナンス ( 定期的なチェックとお手入れ ) がとても重要であるように、インプラント治療でも、
「新しい歯が入ったところから、そのインプラントを長持ちさせる本当の治療がスタートする」
ぐらいの気構えが必要だと思います。

インプラント治療を熱心に行っている歯科医は、それと同じ熱意を、自分の行ったインプラントが長持ちするために注がなければいけないでしょう。

インプラント治療後も、きちんと長期にわたる経過観察とメインテナンスを行っているかどうかは、良いインプラント医とそうでないインプラント医のもっとも簡単な見分け方かもしれません。