高齢者のリスクマネージメント 合同研究会

2013年10月11日歯のコラム

10/6(日)に松本歯科大学 (長野県塩尻市)で行われた
 
日本歯周病学会中部地区大学・日本臨床歯周病学会中部支部 合同研究会 ・・・・・ 長いなぁ

に、歯科衛生士の内田、秋山と共に参加しました。 

この会は、一言で言えば
中部地区の大学の歯周病研究者と歯周病臨床家の合同研究会です。

臨床家と研究者の合同の研究会は比較的珍しいです。

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ポスター発表も アットホームな感じ

研究発表の内容も、基礎研究より日常の臨床に近い内容が多く、臨床家には為になります。

さて、特別講演は

小笠原正教授 (松本歯科大学障害者歯科学講座)による
「超高齢者社会を迎えての対応」~リスクマネジメントとクライシスマネジメント ・・・・ 長いなぁ

がテーマでした。

超高齢化社会( 高齢化率:65歳以上の人口が総人口に占める割合 が21%以上)
になって、一般的な歯科医の日常的な診療でも注意をしなければいけない事がたくさんある
という内容でとても為になりました。

高齢者介護の現場では、入浴前でも血圧を測るくらいなので
高齢者の麻酔では、当然リスクマネージメントが必要である    とか

階段の上れない方はもちろん、階段を上れても、途中で休んでしまう方は 
運動耐用能 心機能予備力の評価的にはハイリスクなので、要注意です    とか
      

心拍数HR 120以上 は心不全の予兆があるので、歯科治療は迷わず中止   
そして
100以上でも 要注意 
50以下も 同様に 要注意   とか

心拍の不正なリズムが 1分に5回以上は要注意 10回以上は歯科治療禁忌   とか

血圧 180/100 以上の患者さんには 必ずモニターを行う   とか

さらに

ずーっと病院にかかってない、健康だと言い切るヒトは 
            ・・・ かえって危ないので血圧をはかる  とか

基礎疾患をかかえた患者さんを、きちんと把握し、それなりの対策を行うという、
当然ではありながらつい見過ごしてしまいそうな、ポイントをわかりやすく示していただきました。

そして、実際に問題が生じたとき(クライシスマネジメント)は

昔の救急蘇生の ABC
( Arway Breathig Circulation )はもう前のハナシで、まずは
 心マッサージと人工呼吸 を行い 循環の維持を第1に考え、救急車を待つ

という点は、恥ずかしながら十分認識していませんでした。

定期的に 救急蘇生実習やセミナーを何回も受けている自分でしたが、

たまに聞くと、新しい情報や知見もあり、
医療人として 常に緊急事態に備える姿勢の大切さを実感できた、意義深い研究会でした。

risaさんのお誕生日会

2013年9月17日ブログ

risaさんのお誕生日会が行われました。

ステーキ専門店 喜むら庭 (名古屋市中区 上前津)でした。

ステーキって肉が命で、肉さえ良ければ、わざわざお店まで行かなくても・・・・との考えもありますが・・・・

しかし、さすが専門店。このお店では、それを超えた味わいを堪能することができます。
素材の選別はもちろん、それを活かす技術と経験があるのでしょうね。
料理(調理?)の奥深さを実感できるお店です。

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さて、risaさんは、歯科衛生士学校に通っている頃から、当院でお手伝いをしていただき,シンガポールとアメリカに留学されて、昨年職場復帰された、努力家の才女です。

これからも、当院で実力と潜在能力を発揮していたけるよう期待しています。

JAO 日本オッセオインテグレーションアカデミー 9月定例研修会

2013年9月17日歯のコラム

9/7(土)は JAOの定例研修会でした。

講師は 杉山 辰行 先生 (スギヤマ歯科 院長、JAO 理事) です。

内容は
① インプラント周囲粘膜炎及びインプラント周囲炎の診断
② インプラント周囲炎のリスクファクター及び予防法
③ インプラント周囲炎の治療法 

インプラント経験の豊富な杉山先生ならではの、とても実際的で為になる内容でした。

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インプラント周囲炎は、今年の臨床歯周病学会での報告でも書いたとおり、インプラントを行う臨床家にとって最も悩ましい問題です。

インプラントを受診された患者さんの11~28%に、また埋入されたインプラント体(本体)の12~43%に何らかのインプラント周囲炎が起こっているとの報告もあります。

大切なことは、歯科医師も患者さんも、インプラント周囲炎が起こることを想定し、それを防ぐための正しい働きがけを行うことでしょう。

インプラント治療で 「手術をして、歯を作って、それでおしまい」 という姿勢は極めて危険です。

歯周病治療において、メインテナンス ( 定期的なチェックとお手入れ ) がとても重要であるように、インプラント治療でも、
「新しい歯が入ったところから、そのインプラントを長持ちさせる本当の治療がスタートする」
ぐらいの気構えが必要だと思います。

インプラント治療を熱心に行っている歯科医は、それと同じ熱意を、自分の行ったインプラントが長持ちするために注がなければいけないでしょう。

インプラント治療後も、きちんと長期にわたる経過観察とメインテナンスを行っているかどうかは、良いインプラント医とそうでないインプラント医のもっとも簡単な見分け方かもしれません。        

石井みどり 参議院議員

2013年8月9日ブログ

昨日は、愛知県歯科医師会の室部合同会議でした。

会議後の懇親会に、石井みどり参議院議員石井(自民党) が先月の参議院選挙のお礼に駆けつけてくれました。
今回で2回目の当選でした。

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石井議員は気さくなお人柄で、献身的に議員活動をされています。
さらなる ご活躍を期待しています。

日本オッセオインテグレーション アカデミー(JAO) 7月特別例会 

2013年7月29日歯のコラム

JAO 7月特別例会  誰にでもできる歯周基本治療  講師 谷口威夫先生  長野市開業

私の所属するJAO(日本オッセオインテグレーション アカデミー)の7月特別例会が、名古屋のシロナショールーム研修所で行われました。

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* 当日、司会をさせて頂きました

歯周基本治療とは、初診来院された歯周病の患者さん(日本の成人のほとんどが程度の差はありますが、歯周病に罹患しています)に対し最初に行う治療です。

清掃指導と歯面清掃(歯のクリーニング、歯石取り、ルートプレーニング)及び歯周病治療の必要性と重要性を理解していただく事がメインです。

インプラントの勉強会であるJAOと歯周病の基本治療とは、あまり結びつかないように思われるかもしれませんが、歯周治療は個々の患者さんのトータルな診療計画の立案の基礎となるので、インプラント治療をすすめる際の診断基準において、歯周病の概念は欠かすことができません。

さて、講師の谷口先生は日本の歯周病学会を長年にわたり、リードされてきた歯周病の権威ですが、いわゆる座学の研究者ではなく生粋の臨床家です。40年以上の臨床経験に裏付けられた臨床例の一つ一つ (ちなみに谷口先生は70歳を超えています) はどれも目新しく、セミナー参加者をクギ付けにしていました。

後半では、当院でも激増しているブラキシズム(歯ぎしり、歯のくいしばり 等)についてのお話でした。

ブラキシズムはさまざまな不定愁訴を引き起こすのですが、一種の習慣や癖によるモノなので、その対応が難しいのですが、谷口先生は暗示療法によってその改善を図っており、とても興味深いモノがありました。

名医と呼ばれている先生には、それだけの深い見識と洞察力、そして何よりも情熱があるのだと、深く感じ入った研修会でした。