第32回 日本臨床歯周病学会に参加して 4

2014年8月1日学会, 歯のコラム

先日、6月21、22日に名古屋で行われた
日本臨床歯周病学会第32回年次大会
に出席してきました。
地元名古屋ということでとても楽しみにしていた学会でした。

たくさんの講演をきいた中で私が特に印象に残っているのは
『包括的治療における歯科衛生士としての役割』
という重度歯周病と診断され抜歯となったが、他にも歯周病の進行が
認められる部位、補綴修復歯の不適合、縁下う蝕など多数の問題点があり
抜歯、インプラント治療、歯周外科処置など全顎的な治療が必要と診断された
患者さんの症例でした。

この患者さんは言葉数が少なく、物静かな印象の方で
初診時には、今まで自分の口腔内を怖くて見れなかったと言われたそうでした。

最初は聞かれないとあまり話されない方だったのが
治療を進めていく中で担当衛生士がコミニケーションをとることで
今まで口腔内を見れなかったと言っていた方が
『カレーを食べたら歯に色がついた気がする』
と歯の色の相談されたり
外科処置後の暫間義歯についても、少し不安そうな表情だったので
『大丈夫ですか?』と担当衛生士がお聞きしたところ
『実は、、義歯に違和感があって金具が目立つのが気になって最近はマスクばかりなんです。』
と打ち明けられ、それをもとに患者さんの要望に沿った治療
になったそうで、患者さんは長期治療を無事に終えれたそうです。

全顎的な治療は口腔内の変化が大きく時間を要することがあるため
患者さんには精神的なストレスがかかってくることがあります。
治療へのモチベーションを維持するために
担当衛生士として治療による口腔内の変化に対しての説明や
不安をなくすためにも患者さんの表情の変化をみながらの
声掛けなどのサポートが必要なのだなと思いました。

当院でもインプラントや補綴治療で全顎的な治療になる方は少なくないので
患者さんの気持ちの変化に寄り添ってモチベーションの維持を
していけるように今後の治療に役立てたいなと思いました。

歯科衛生士 奥野 美樹

第32回 日本臨床歯周病学会に参加して 3

2014年7月30日学会, 歯のコラム

去る6月21日、22日に名古屋国際会議場で開催された、日本臨床歯周病学会第32回年次大会に参加させていただきました。

今年で年次学会に参加させていただくのは3回目になります。
毎年新しい歯科治療法のケースプレゼテーションをみてとても刺激をうけます。

今年の学術大会のテーマは『再生療法』でした。

数年前に参加した時はあまり聞き慣れない治療法だったのですが
最近では書籍などでもよくみかけるようになりました。

この2日間で全国各地からお見えになった歯科衛生士さんの
再生療法を用いたケースプレゼテーションを多数聞きました。

実際、再生療法を行うのは歯科医師です。

歯科衛生士は何をするのかというと患者さんのメンテナンスになります。

メンテナンスといっても業務はたくさんあります。

患者さんに日々の歯磨きを正しい方法で行っていただくよう、
指導をさせていただいたり歯のクリーニングはもちろんのことですが

治療にたいしてストレスを感じていないだろうか?不安に思っていることはないだろうか?
など患者さんとのコミュニケーションも業務の一つです。

また、それを歯科医師に伝えるのも歯科衛生士の大切な業務だと思います。
安心して患者さんに治療を受けていただけるよう
患者さんとドクターの架け橋になるような存在でありたいと思いました。

nakanorisagakkai

歯科衛生士  中野梨沙

歯内療法の学術講習会

2014年7月13日研修会・講習会

 7/13(日) ワールドカップ3位決定戦(ブラジルvs オランダ)が早朝行われた日でしたが、午後から講習会がありました。

大阪歯科大学同窓会愛知県支部主催の学術講習会で、
講師は 石井宏先生 (東京都開業)
演題は 「歯内療法専門医が考える保存と抜歯の基準」 でした。

石井先生は、日本でも少ない歯内療法専門医で、歯内療法専門の診療所を開業しています。
ちなみに名古屋には歯内療法のみ専門で行っている歯科医院はありません。
(愛知学院大学歯学部付属病院には歯内治療を専門に行う診療科があります)

ところで、歯内療法とは歯の神経(根管)の治療です。

・虫歯が進んで、神経抜いたり
・歯の中に膿がたまって、腫れてきたり
・虫歯を放置しておいて、歯に大きな穴が開いてその中が感染したり

したときに行われる治療です。

end

歯内療法は、とても手間と時間がかかる治療で、
患者さんが歯科を受診して

「1本の歯を治すのに、一体何回通わなければいけないんだ!!!」

と感じたとしたら、それは歯内療法を行っていることが多いです。

歯内療法はホントに細かく地味な治療ですので、歯科医師にとっても大変なのですが、
これをキチンと行うかどうかで、その後の 「歯の持ち」 が全く変わってきます。

この治療を時間をかけて徹底して行う事は、良い結果を導きますので、何回も通院するのは大変ですが、歯内療法受診の際は、どうかご協力お願いします。

約2時間の短い講演でしたが、外科療法や抜歯の判断基準など、専門医ならではの示唆に富んだ、意義深い講習でした。

第32回 日本臨床歯周病学会に参加して 2

2014年6月27日学会, 歯のコラム

先日の6月21、22日に第32回日本臨床歯周病学会に参加してきました。今年の会場は名古屋の国際会議場でした。

初めての参加でとても緊張しましたが、たくさんの歯科衛生士さんの講演、発表が聞けてとても勉強になりました。

今回のテーマは『再生へのかけ橋~成功への道しるべ』でした。再生医療についてです。

多くの講演の中でも、私が興味を持った講演は名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学特別講師の柴田玲先生による″メタボを学んで歯も健康に”という講演でした。

jacpフォーラム集合

メタボリックシンドロームと歯周病が関係していることみなさんはご存知でしたか?
そもそも、歯周病は肥満の人に多いそうです。そして心疾患で死亡した人は歯周病の重度な患者が多いというデータがあります。
つまり、適度なカロリー制限が大切ということです。カロリーを制限することは長生きにも繋がります。また認知症にもなりにくくなります。
これらの予防は簡単で、よく噛むこと、ゆっくり食べることでメタボリックシンドローム予防できるそうです。食べる早さも関係するということですね。これほど近い関係にあったということに驚きました。

歯周病という生活習慣病はお口の中だけではなく全身に関わってくるということが改めてわかりました。
今回の学会で学んだことを今後に活かしていきたいです。

歯科衛生士 雪山つばさ

第32回 日本臨床歯周病学会 に参加して 1

2014年6月26日学会, 歯のコラム

今年も、学会の季節がやって参りました。

医科系の学会は、春は6月 秋は10月開催に開催されることが多いです。

6月21日(土)22日(日)に行われた 日本臨床歯周病学会 にスタッフとともに参加して参りました。
今年は中部支部が主管で、名古屋開催です。

jacp会場

不肖 長谷川も運営のお手伝いをさせていただきました。
というか、一日目は運営でほとんど聴講できませんでした。

学会は 歯科医師向け、歯科衛生士向け あと一般市民にむけた教育講演など
バラエティーに富んでいますが、

なんと言っても今回の学会の目玉は

TONETTI, Mauriziov 先生(イタリア)の特別講演です。

マイクロスコープを使用した、最小限の侵襲(体への負担)で行われる歯周外科手術は目を見張るばかりでした。

オペのムービーの説明で

「これは一見簡単そうに見えますがそうではないでーす」(もちろん英語で)

と何度も念を押されていましたが、確かに個々の診断があり、手術に至るまでの患者管理や術前準備、そして何より確かな手技があって初めてあのような精密な手術ができるのでしょう。

サッカーW杯ブラジル大会で、イタリアはやや苦戦を強いられているので、TONETTI先生のご講演のテンションが下がるのが心配されたのですが、その不安を払拭する熱の入った講演でした。

さて、この学会は、歯科衛生士のプログラムが充実していて、それについては当院から参加の歯科衛生士さんにご報告いただきます。

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