日本臨床歯周病学会 第34回年次大会 ~1

2016年7月30日学会, 歯のコラム

7月9日(土)10(日)の二日間、アクロス福岡(福岡市)に於いて日本臨床歯周病学会 第34回年次大会が開催されました。

本年のテーマは「歯周治療 成功の鍵 再生療法 Step by Step」です。

当クリニックでは今年も、歯科衛生士5名と共に参加しました。

jacp28

               ※ 2日目の3人の先生によるディスカッション

再生療法は、この数年主題となっているテーマです。

再生療法は一言でいえば、

「一度歯周病で失われた歯周組織を再生する療法」 です。

歯周病の進行により、歯周組織(歯を支えている歯根膜や歯槽骨 等)が破壊されますが、
一度破壊された歯周組織は自然には元の状態へ戻ることはありません

歯周病治療では、ご家庭での口腔清掃や、診療所での歯石除去やクリーニングで、
歯の周囲の細菌を徹底的に除去することにより、抜歯を避けるよう試みるのですが、
炎症は治まっても、破壊された歯周組織はそのままです

そこで、破壊された組織を積極的に増やす治療法が再生療法です

具体的な治療法としては、このブログでも以前紹介させていただいた、
EMD (エムドゲイン) やGTR (人工膜を利用して骨を誘導する方法) がメインですが、
残念ながら十分普及しているとは言い難い現状です。

その理由として、再生療法を進めるに当たり前提となるのが

① 歯科医が歯周病の基本手技を的確に行うことができること
② 患者さんに、その効果についてご理解していただけること

ですが、この両方を満たすことが簡単そうで難しいからです。

歯科大学の教育課程では歯周病治療の手技の詳細を学ぶところまでカバーされていませんし、
歯周病の進行や治癒は、細やかな症状の変化やレントゲン所見から判断されるので
患者さんにそれを理解していただくには、治療者側の懇切丁寧な説明と受診者側の協力と闘病意欲が必要です。

「ぐらぐらで抜けそうな歯が、エムドゲインをつけたら一発でしっかりした」というような効果があればよいのですが、なかなかそういう訳にはいかないのです。

今回のテーマは、そのような普及しにくい再生療法が少しずつ(Step by Step)理解され実用化される目的でプログラムが組まれていました。

話が堅くなってしまいましたが、福岡と言えば”もつ鍋”です。

fukuoka02

その様子も含め、あとは一緒に参加した歯科衛生士の皆さんの報告をご覧ください。

日本臨床歯周病学会 第33回年次大会 その5

2015年9月14日学会, 歯のコラム

去る7月18日19日 臨床歯周病学会 In 仙台へいって参りました。

今年で学会参加6回目となりました。

初めて学会参加をしたのが、6年前の京都会場でした。

忘れもしませんが、大雨のなか緊張の面持ちで会場入りをして
帰りにはぎっしり情報を詰め込んだノートを抱えて名古屋に帰ってきたことを懐かしく思います。

それからはたくさんのスタッフにも恵まれて今年は院長含めて7人で参加しました。

毎年学会に参加して思うことは、歯周病治療に携わる歯科医師と歯科衛生士はめまぐるしく進化していく治療方法に常にアンテナを張り、情報を得たことを歯科医師と歯科衛生士が共有しながら連携していく必要性を感じています。

今年は中部支部で活躍されている私の友人が症例発表や講演している姿をみて、思い悩んでいることや少しでも歯周治療の成功に向けて活動している報告を聞き、とても励まされました。

新しいスタッフも増えた今では月に1度院内ミーティングを行っています。
スタッフの間で悩んでいること、どのように進めたら治療病治療がより円滑に進めるか症例も含めて勉強会をしています。
意見がぶつかり合うときもありますが、こうしてスタッフ一同歯周病治療の成功に向けて話し合いができる環境があり私はとても幸せに思います。

いつもこのような機会を頂けて院長先生には感謝しています。

今年で勤続10年目を迎えます。

たくさんの患者さんとお会いし、たくさんのスタックにも恵まれた環境を大切にして
これからも初心忘れべからず!!で頑張っていきたいと思います。

歯科衛生士  内田沙織梨

日本臨床歯周病学会第33回年次大会 その4

2015年8月30日学会, 歯のコラム

新人歯科衛生士の和気です。私も、学会の報告をさせて頂きます。

学会当日の出発は朝早く、東京で新幹線を乗り継いで仙台へ到着です。
遠かったですが、初めての仙台にわくわくでした。

牛たん屋さんがいたるところに!
初ずんだもちもおいしかったです。

2015-08-23-11-23-36_deco

私は、今回が学会へ参加するのは初めてでした。
難しいお話もありましたがたくさんの衛生士さんのお話を聞き様々な症例を見ることができてとても勉強になったと思います。
もっとスキルアップしていきたいと思いました。

私は、毎日、お口のクリーニングをやっています。
クリーニングをやっていくときにそのお口だけを見て判断するのではなく
お口がある前にその人自身がいることを忘れてはいけないなと改めて気づきました。
その人の性格や生活背景なども考えて
患者さん1人1人にあった指導をやっていけるように
患者さんとのコミュニケーションを大切にしていきたいです。
伝え方にしても、危機感をあおるような伝え方ではなく  また来たいな。と思っていただけるような患者さんのやる気を上げることができる話し方が大事です。
また、私が、聞きたいことを聞くだけでなく、患者さんの言いたいことを聞き出せるような言わせ上手になりたいです!!

今回の学会で感じたことを忘れず今後に生かしていけるよう頑張ります。
院長先生ありがとうございました。

和気

日本臨床歯周病学会 第33回年次大会 その3

2015年8月26日学会, 歯のコラム

平成27年7月18日、19日に院長先生と歯科衛生士6名で臨床歯周病学会に参加してきました。

二日間、とても貴重なお話が聞けました。
全国の歯科衛生士による症例発表を聞き、一人一人の患者様と向き合って成果を出していく難しさを痛感しました。

特に歯周治療は、短期的なものではないので治療が終わった後のメインテナンス(定期的な健診と口腔清掃)が大切と言われています。
最初は、来院してくださる方が多いのですが、いつの間にか面倒になり来院されなくなる方も多いのが現状だそうです。
そのため、次の来院につなげるために患者様のモチベーションをあげるのが私達、歯科衛生士の役割であると思います。
そこで、みんなで話し合った結果、症例発表されていた他院の歯科衛生士さんが使用していた歯科衛生士専用のカルテを当院でも作成することにしました。
毎回行ったこと、状態の良くなったところ、悪くなったところなどを記入することにより次に担当する歯科衛生士が見ても変化がわかるように記録していくことにしました。
そうすれば、患者様とのやりとりも今以上に深く繋がっていけるのではないかと思います。

こうしたことを取り入れて、これからも一人一人の患者様と向き合っていけたらと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。

余談には、なりますが仙台の牛たんとお酒はとっても美味しかったです。あの味は、忘れません
皆様も仙台に行った際は必ず牛たんを食べてください
今回もこのような機会をありがとうございました。

雪山 つばさ

日本臨床歯周病学会 第33回年次 その2

2015年8月19日学会, 歯のコラム

先月の18.19日に仙台で開催された日本臨床歯周病学会に行ってきました。

東京から東北新幹線に乗り継ぐこと片道約4時間の長距離移動での初めての東北でした。

gakkai2015

今回の講演で特に私が印象的だったのが、咬合性外傷に起因すると考えられる歯周治療の患者さんの症例でした。

咬合性外傷とは、名前の通り噛み合わせによる損傷です。
わかりやすく言うと歯ぎしりや食いしばりなどで歯の組織や骨、顎の関節が負傷することを指します。
その治療法の1つとしてマウスピースがあり、当院ではマウスピースを院内で作製しており、私自身がその作製をしているので今回の内容に興味を持ちました。

この症例では、外科処置や自費の治療費への抵抗から患者様から同意が得られず、歯周基本治療とマウスピースにより、外科処置を行うことなく症状の改善がみられているという症例でした。
当院でも患者様の中に歯ぎしりやくいしばりをされている方は意外と多くみえ、マウスピースを使用したら症状がなくなったと喜んでる方もみえます。

今回の症例のことでマウスピースの重要性をより実感しました。
これからもマウスピースの作製により一層力を入れていきたいなと思いました。

余談にはなりますが、1日目の学会が終わった夜は、みんなで夕飯を食べに行きました。
初めてトビウオの唐揚げを食べましたが、とっても美味しかったです。

その後、院長先生のはからいもあり、衛生士5人で牛タンを食べに行きました。
なかなか5人揃ってご飯を食べるという機会がなかったので、とても有意義なものになりました。
院長先生、ありがとうございました。

2日目には学会が終わってから新幹線までに時間があったので、仙台駅を散策して念願のずんだシェイクを飲むことができました。

時間がなかったので、観光はできませんでしたが、伊達政宗ゆかりの地を巡るのも衛生士長谷川さんのオススメのようなので今度仙台に来る時には観光をしてみたいなと思いました。

奥野美樹